ER-4S購入のこと

ER-4Sというのは、こちらで言及した、高音質なイヤホンである。
こちらで書いた、断線していたと思ったけど、実は断線していなかったと思ったER-6が、やっぱり断線していて、だましだまし使っていたのだが、昨日、とうとうだましきれなくなってしまった。しょうがないので、手持ちの無事なイヤホンの中から、遮音性の割といいMDR-NC10を引っ張り出してきて使ってみたのだけど、なんとも我慢がならない。ノイズキャンセリングをONにすると「サー」という音がするし、電池ボックスも重い。「遮音性がいい」といってもER-6にも及ばない。
というわけで、急遽、イーディオ神楽坂試聴室に行くことにした。他に予定があったのだけど、仕方がない(そうか?)。


現地では、高級オーディオを使って、ER-6i*1とER-4Sを、現地で借りたベートーベン交響曲第5番第3楽章の冒頭で聴き比べてみたが、違いがよく分からない。
イーディオのかた曰く、「分からないなら安いほうでいいんではないですか?」。違いが分かるとどうかというと、金がかかるだけだとおっしゃる。なるほど。
でも、何度も聴き比べているうちに、なんとなく違うような気がしてきてしまった。本来ならば、いつも聴いているCDを持っていって聴き比べるのだろうが、いつもはCDでなく、iTunesiPodで聴いているのだ。
そこで、いつも聴いているiPodで、いつも聴いている曲を、比べることにした。フォーマットはMP3、ビットレートは160kbps。さっき高級オーディオで聴いたベートーベン交響曲第5番第3楽章の冒頭だが、指揮と楽団は違って、カルロス・クライバー指揮のウィーンフィル演奏。「160kbpsではあまり分からない」と言われたが、何度か聴き比べているうちに、これが意外と分かってくる。いつも聴いている音だからかもしれない。さっき指先を掠めた違いを、少しずつうまく掴めるようになってくる。
どんな風に違うかと言うと、弦の音にツヤがある。トランペットを吹きぬいた音がクリア。高音部がはっきりくっきりして、一音一音が聴き分けられる。こういうのを、レビューでよく読んだ「解像度が高い」と言うのだろうか。
「なんか……分かるようになってきちゃいましたよ」と言うと、「では、お金のかかる道に進むしかないですね」とのお返事。
そんなわけで、ER-4S購入。


早速付けて帰る。耳栓型なので当然だが、地下鉄の轟音もほとんど聞こえず、これまでとは考えられないくらいの高音質。
ER-4といえば、ケーブルがゆれて服に当たったりすると、その振動が音になって聞こえる、タッチノイズの悪評が高い。これは、ケーブルを耳に引っかけて、眼鏡のテンプルで押さえてやったら、まったく気にならなかった。
価格は税込31,500円。以前は4万円弱だったのが、値下げした模様。「結局ER-4Sを買ってしまった。こんなことなら、まわり道しないで最初から買っておけばよかった」と一瞬思ったが、その「最初」の頃は値下げの前だったので、まあよかったとしよう(まわり道の過程でかけたお金は、値下げ分より多いのだけど)。

*1:iPodのイヤホンのように白いが、形はER-6とほぼ同じ。イヤーチップの耳栓の部分が、ER-6では2段だったのが、ER-4シリーズと同じ3段になっていて、遮音性は向上している。イーディオのかたが「今後ER-6iに切り替わっていくと思う」とおっしゃっていたので、ER-6の後継機種なのだろう。18,900円。