ゴールドベルク変奏曲、グールドの「再演」




Gould re-performance Goldberg Variations

J.S.Bach:

The Goldberg Variations

Gould re-performance

[Hybrid SACD]

面白いディスクを入手した。
グレン・グールドが弾くゴールドベルク変奏曲の1955年盤を、高精細度のMIDIデータに変換し、打鍵のタイミングや強さ、ペダリングなどを再現して、自動演奏させたもの。これを手がけたゼンフ・スタジオは「再演」と呼んでいるらしい。
店頭で見つけて、「けっ」とか思いつつも試聴してみると、思ったほど悪くない。ので購入。買ったのは日本盤だが、安い方が良いだろうと思って、リンク先は輸入盤。


SACDとCDのハイブリッドで、ステレオとバイノーラル録音が両方に入っている。SACDにはそれに加えて、マルチチャンネル。
バイノーラル録音」というのは、頭のかたちをした模型(ダミーヘッド)の両耳の入り口にマイクをつけて録音、ヘッドホンで聴くとその場にいるような音場が再現できるという代物。
ダミーヘッドは、試行錯誤の末、ピアニストの頭の位置より数インチ上に置かれたそうだ。これはなかなか面白くて、目の前にピアノの鍵盤があるのと同じく、高音は右、低音は左から聞こえる。


帰宅してから正座して聴いてみると、テンポは、確かにグールドのもの。でも、あの叩きつけるような音がしない。あの速さであの強さが出せないのかも知れない。
あと残響が気になる。一音一音が綺麗にばらけている、あの演奏がぼやけてしまっている。録音スタジオじゃなくて、コンサートホールで録ったのかな。「再演」技術とは関係ないけど。




Gould plays Goldberg Variations (1995)

J.S.バッハ:

ゴールドベルク変奏曲

グレン・グールド

(1955年モノラル録音)

1955年盤は、録音があまり良くない。ていうか悪い。モノラルだし、ノイズも盛大に入ってる。この点は、今回購入したディスクが勝る。音質だけなら、1981年盤よりもいい。
でも。
耳直しに、1955年盤を聴いてしまった。
まだまだ発展の余地がある技術なのだろう。