ヘッドホン比較(ER-4S, ATH-EM7, ATH-EC7)



マーラー交響曲第8番
マーラー 交響曲第8番

サイモン・ラトル指揮

バーミンガム市交響楽団



ATH-EM7

audio-technica

ATH-EM7 SV

audio-technica ATH-EM7で、マーラー交響曲第8番を聴いていたら、妙に低音がクリアに聞こえるような気がした。
誉めてるわけではない。低音は、「聞こえる」というより、体に「響く」感じで鳴るものだと思う。映画館で鳴る「ズーン」と全身に響くような音。ヘッドホンで全身に響くわけはないのだけど、そんなイメージ。
つまり、ATH-EM7は、音が「軽い」のではないかと。
これまでもなんとなく、ATH-EM7は音がクリアな感じはしていたのだけど、あんまり真面目に評価してなかった。音の良し悪しなんて、「なんとなく」を超えて本気で実感すると、お金がかかるだけなのだ。オーディオマニアがとんでもないお金をかけるのは、いい音を知ってしまったからだと思う。
でも同じ曲をヘッドホンやスピーカーを替えて何度も聴いてると、いずれ「あれ?」とか思うのだ。PCMとDTSの違いまで分かるようになってしまう




ER-4S

Etymotic Research

ER-4S



ATH-EC7

audio-technica

ATH-EC7 SV

この際だから、Etymotic Reserch ER-4Sとaudio-technica ATH-EC7も加えて聴き比べてみることにする。
ATH-EM7が、一番クリアで高音がよく響く。低音がよく「聞こえる」。派手な音。
ATH-EC7は、EM7より幾分おとなしめだが、近い音がする。
ER-4Sは、一番しっとりした音を奏でる。低音は「響く」。いじってない感じ。


よく分かんないんだけど、電子楽器だとこういう違いはあんまり気にならないのかも知れない。原音なんて無いようなものだし、音がいくらでもいじれるので、録音された音を知っているのは、ミュージシャンとレコーディングエンジニアだけ。録音時の音の操作なのか、ヘッドホンによる違いなのか、リスナーには分からない。
アコースティックの音もいじれるし、実際そうされた録音はいくらでもあるが、原音との違いは分かる。それに、本物のクラシックではそういうことはない。せいぜいイコライジングくらいだろう。
クラシックを聴くなら、音をあまりいじらず、録音された音をそのまま再生するニュートラルなヘッドホンがいいのだろう。当然、録音が悪ければ悪い音になるが。
ソニーのMDR-EX90SLはいい音だったと思ったが、開放型であり、遮音がいまいちなのが残念だった。遮音性能はS/N比に直結する。地下鉄向きじゃない。
MDR-EX90SLの上位モデルとして10月20日に発売されるMDR-EX700SLは、密閉型ということなので期待していたのだけど、これは結構低音を力強く鳴らすらしいニュートラルじゃないのだ。もったいない話。