DMX-C4使用感




Xacti DMX-C4
SANYO Xacti DMX-C4

「使用感」といっても、毎日持ち歩いて、それなりに使い込んで、不足を感じた点。
これには、コンパクトデジカメ共通の問題と、DMX-C4固有の問題がある。
共通の問題は、すでにITmediaに書かれてしまった。思いついたらすぐに書かねばならんな。


ITmedia +D LifeStyle:第38回 デジタル一眼レフとコンパクトデジカメの関係


とりあえず、同感な部分をピックアップする。



デジタル一眼レフで撮るとき、コンパクトデジカメと大きく違う点はもうひとつある。
それは画質。デジタル一眼レフの方が何倍も大きな撮像素子を使っている割に画素数はコンパクトデジカメとあまり変わらない。似たような画素数なら撮像素子が大きな方が圧倒的に有利なのだ。
 似た画素数のコンパクトデジカメと600万画素の低価格デジタル一眼レフと一般的なレンズで同じものを撮り、部分拡大してみたので比較して観て欲しい。細かいところの描写力がこれだけ違うのだ。

コンパクトデジカメで撮った写真は、そのままの解像度ではあまり画質が良くない。ある程度縮小すると、見られる絵になる。
DMX-C4のCCDは、約400万画素であるが、ピクトライズ800という技術によって、8M(800万)ピクセルの写真が撮れる。CCD画素数の倍だ。高度なデジタルズームと理解している。
まあ、もともとが400万画素なので、8Mピクセルを1:1のサイズで表示するのはやはり無理がある。そこで縮小する。壁紙程度なら充分。時節柄、年賀状を刷ったりもするが、葉書サイズでも充分。A4はプリントアウトしたことがない。
コンパクトデジカメの場合、カタログスペックのピクセル数は、ある程度割り引いて考える必要がある。



 ダイナミックレンジも違う。一度にどれだけ明るいところから暗いところまでまんべんなく捉えられるかだが、ダイナミックレンジが狭いと明暗差が激しいとき対応できなくなる。

コンパクトデジカメのCCDは、ダイナミックレンジが狭い。つまりコントラストが低い写真が撮れる。
記事にもあるように、空の色は難しい。夕方のいい色は、なかなか撮れない。
また例えば、黒を黒く見えるように撮ると、白が灰色に撮れてしまう。
黒を黒に撮ると、白が灰色

白を白く見えるように撮ると、黒が灰色に撮れてしまう。
白を白に撮ると、黒が灰色



 もうひとつは感度。デジタル一眼レフの方がもう圧倒的に高感度で、高感度時の画質もいい。
 コンパクトデジカメはだいたいISO400までだが、ISO400まで上げちゃうとどうしても画質が落ちる。特に人肌はざらつくとすごく目に付いてしまう。普段使うのは(高感度に強いモデルを除けば)ISO200までかなという感じだ。

ISO400なんて、ノイズだらけでとても使えない。よほどのことがない限り、ISO50固定で使っていた。


記事へのコメントは以上。
以降は、DMX-C4のみを使った感想であるので、コンパクトデジカメ共通とも限らない。


マニュアルフォーカスが使えない。
マニュアルフォーカスモードというのはあるのだが、2cm, 5cm, 10cm, 15cm, 20cm, 30cm, 50cm, 70cm, 1.0m, 1.5m, 2.0m, 3.0m, 5.0m, 8.0m, 無限遠の固定距離をステップで指定する。「固定フォーカス」とでもいおうか。ズームすると、被写界深度が浅くなるので、フォーカスを合わせるのは至難の業。フォーカスが合っても、望んだアングルとは限らない。


水平を保ちにくい。
四角に切り取られた写真だけを見ると一目で水平が分かるが、カメラの液晶の向こうには同じ風景が広がっているのだ。実際の風景は当然ながら水平を保っていて、同じ物が液晶に映っているので、水平になっていると勘違いしてしまう。だから、意識して水平を保たなければならない。

このように、画面に水平・垂直線が入っていれば、水平は取りやすい。
廊下

ところが、このように、斜めの線ばかりだと、どこに合わせていいのか難しい。
lights

普通の四角いカメラならば、直感的に水平が保てそうな気がする。被写体にレンズを正対させると、同時にカメラの前面が正対する。あとは、左右の傾きをゼロにするだけだ。
ところが、DMX-C4はガングリップタイプであるので、被写体にレンズを正対させると、ボディが前傾する。この状態を維持しつつ、左右の傾きをゼロにする必要がある。これが直感的でない。手首をどうやって動かせば傾きがなくなるか、考える必要がある。そして、液晶画面を見てそれが保たれているか確認するのが難しい。いっそ、照門と照星をつけたらどうか。
上に挙げた斜めの線ばかりの写真は、結局GIMPで回転させてトリミングした。


しかし、こういった点は、トレードオフなのだ。
毎日持ち歩ける手軽さを取るか、画質を取るか。
ままならないものだ。