『攻殻機動隊2.0』


よかったところを挙げてみよう。
榊原良子氏の演ずる人形使い。これは大きい。つまり人形使いが女性になっているわけで、意味合いが変わってくる。また、個人的に、田中敦子氏と榊原良子氏にはイメージが重なるところがあり、「私たちは似たもの同士」のあたりなどは、印象深かった。
ネットは広大だわ」からの都市の描写。
映像全体がCGで構成されていて、素子が映っていないシーン。
そのくらい。
あと、初めて映画館で観られたのは、よかったと思う。


プログラマの感覚からすると、「1.5」あたりが妥当なバージョン番号ではないかな。
バージョンアップの作業途中、という印象だった。1.0から2.0への新メジャーバージョン開発途中で、敢えてバージョン番号をつけるなら1.5だけど、作業中なのであちこちがちぐはぐですよ、という感じ。
3DCGが浮いてたり、シーンの切り替わりでまるで絵の印象が変わったり。
それから、いかにもCGな素子。フルCGの人体は、ゲームでは当たり前になされており、それほどおかしな感じはないのだが、アニメとゲームでは技術の交流がないのだろうか。
オリジナルの『攻殻機動隊』に対して、現在の技術を用いてできることを全てやった、という感じではない。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のような「リビルド」を期待すると、残念な思いをする。
「やりきった」ものを観たい気もするが、そういう企画がそもそもなさそうだし、あっても通るのか、公開されたとして、それにまた1800円を払う気になるのか、と考えると、どうだろう。観てしまいそうだけど。