ロケットまつり at 阿佐ヶ谷ロフトA
昭和のロケット屋さん ロケットまつり@ロフトプラスワン |
もともとは、ロケット打ち上げなどの現場に取材に行った三氏が、それを伝えるというものだったらしい。しかしやはり、現場の人に直接お話いただく方が、得るものが大きいのではないかということで、いまの形になった。
と、『昭和のロケット屋さん』のまえがきに笹本祐一氏が記していた。ロケットまつりについては、松浦晋也氏のブログ「松浦晋也のL/D」で知ってはいたのだが、本を読んでから「これは行ってみたいな」と思っていた。
昨日、初めてその「ロケットまつり」に行ってきた。
場所は阿佐ヶ谷ロフトA。ゲストは、富士精密でペンシルロケットからのロケット開発に従事した垣見恒男氏と、その元同僚である永岡忠彦氏。聞き手は松浦晋也氏。リンク先のコメントをご覧になると分かるように、浅利義遠氏は欠席。
スタートの19:00に少し遅れて会場に入ったら、ロケットの資料を入手するために実行された、あの手この手が語られていた。聞いてると、垣見氏はけっこうな悪党である。パトレイバーでいえば後藤隊長だろうか。話もおもしろくて引き込まれる。
垣見恒男氏「この話、したことあるね」
松浦晋也氏「いや、ないないない」
すでに20回以上開催されているロケットまつりだが、まだまだ語られてないことがあるらしい。松浦氏も初耳のようだ。『昭和のロケット屋さん』に、「この人達はいろんなこと訊いてくる」というようなことが書かれていたが、想像もしてないことはやっぱり訊けないわけだ。
だから、こうやって語っていただけるというのは、まったくありがたい話。すごくおもしろく、非常に興味深い。
でも、語られた内容については、あんまり書かない方がいいのかな。本になったりもするしな。いろいろメモしたんだけど。
20:30からの15分休憩に、『昭和のロケット屋さん』を編集された今村さん(id:Imamura)にご挨拶、したらそのままステージに行って営業なさってた。
うん。これはおもしろい本なので、ロケットに興味のある方は買うといいよ。
われらの有人宇宙船 日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」 松浦晋也 |
と思ったら、ちょっと趣を変えて延長。ここで、ずっと気になってたことを質問。
『われらの有人宇宙船』で提示された、日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」構想。松浦氏も参加し、旧NASDAで実際に検討された構想である。ロケット開発には多かれ少なかれ「賭け」の要素があるものだが、「ふじ」はその賭けの要素が少なく、現実的なプランであると思った。これがどうなったのか。
ずいぶんがんばって動いて、実現の可能性は結構あったらしいのだが、有人計画は10年やらないというあの決定で頓挫してしまったらしい。って、いま検索してみたら、そのようなことがほのめかされているなぁ。ちなみに松浦氏のブログには出版社在庫がなくなったとありますが、ふつうにAmazonで売ってます。流通在庫はまだあるらしい。
現実を聞いてるとけっこう暗くなってしまって、松浦氏はよく「もっと明るい話しましょうよ」と言われるらしい。そうだね。じゃあこの現状をどうするかと考えた方がいいんだろうね。
終電に間に合わなくなるので、後ろ髪引かれる思いで途中で出た。
いや、おもしろかった。
次回は新宿ロフトプラスワンで6月28日にあるらしい。これは行かねばな。