Don't be evil.
Googleの非公式モットーとして有名な"Don't be evil"。
先日、その"evil"という単語を、Collins COBUILDという辞書で引く機会があった。その最初の項目。
Evil is a powerful force that some people believe to exist, and which causes wicked and bad things to happen.
(引用者試訳:"evil"とは、一部の人間がその存在を信じている強い力であり、不道徳で悪い事柄によって引き起こされるものである)
その「機会」というのは、『finalventの日記 - はてなQより 必要悪』経由で、Wikipediaの「Necessary Evil」と名付けられたB29爆撃機の項目を読んだとき。広島と長崎の原爆投下の飛行隊に同行し、その後「Necessary Evil」と名付けられたらしい。そのノーズアートには、少し嫌悪感を覚える。
で、finalvent氏の日記に、こんなコメントをした。
ただ「悪い」というより、罪深い印象があります。悪魔との契約みたいな。
話はずれるのだが、というかずれるのでコメントを続けなかったのだが、「ダークサイドに堕ちる」ってこういうことなんだな。きっと。
そういえば、梅田望夫氏(id:umedamochio)は、『ウェブ人間論』でこう言っていた。
ただグーグルの連中は、歴史とか政治とか、そういう人文系の深いことは何も考えていないんですよ。熱中しているのは数学とかITとプログラミング、そして『スターウォーズ』が大好き、という感じの若者たちが多いですから。
「ダークサイドに堕ちるな」を、少し一般的な表現に直したのかもしれない。
そして、"evil"を引いた同日、Google Earthにダルフール危機のレイヤー追加のニュースを知る。またfinalvent氏の日記『finalventの日記 - Googleがダルフール危機問題にGoogle Earthでコミット!』から。
ダルフール危機というのは、スーダンのダルフール地方で、現在も進行中の政府軍による民族虐殺(genocide)。日本で報道されることは何故かほとんど無く、『finalventの日記』と『極東ブログ』、『スーダン・ダルフール危機情報wiki』*1は数少ない日本語の情報源。ただし、すべてfinalvent氏によるもの。
これには驚いた。Google Earthでこんなことができるんだという他に、もう一つ。
"Don't be evil."というのは、彼ら自身のモットーであるのみならず、おそらくすべての人類に向けたメッセージであったのだということ。
彼らは、本気で世界を変えようとしているのだと、初めて実感した。