月に咲く花の写真

月に咲く花 lunatic cherry

昨夜は月と桜がきれいだったので、帰宅してからα Sweet DIGITALと三脚を持って出かけたのだけど。
難しいね。これが精一杯。


夜の視覚は、昼間より彩度が落ちる。デジカメのCCDには、そのような特性はない。
従って、暗いところで昼間と同じように撮影しても、目に見えているよりも色合いが強くなる。
網膜には、「錐体細胞」と「桿体細胞」の二種類がある。錐体細胞は、色彩を感知し、解像度に優れる。桿体細胞は、明暗を感知し、感度に優れる。
歩くのに不自由しない程度の暗いところで、でも本が読めないのは、錐体細胞がディティールを読み取るのに充分な光を感知していないから。同様に、昼間に比べて色彩も弱くなる。
デジカメのCCDは、単純にRGB各色の明るさに応じて電荷を蓄積するだけなので、このような特性はない。
この桜は、最近一気に暖かくなったこともあって、つぼみを残しつつ全開の花と葉が入り交じっていた。目で見ると葉はほとんど認識できなかったのだけど、デジカメで撮ってみるとえらく緑なんである。


デジカメは、CCDの各画素の各色に蓄積された電荷の量を読み取り、それをRAWデータに保存するなり、JPEGに落とすなりする。
RAWは、電荷の値そのままなので、手間と容量が必要だが、あとでなんとでも処理できる。電荷が、最大と最小の中に収まっていれば、ホワイトバランスも色合いも、自分の手でじっくりコントロールできる。
JPEGは、その、あとでやる処理をカメラが自動的にやることになる。この自動処理が、デジカメの「絵作り」と呼ばれるもので、メーカーや機種、撮影モードによって変わってくる。
実際「夜景モード」で撮ってみると、色合いがけっこう変わる。それにあわせて感度も上がったりするので、必要に応じて下げてやる。ただ、昨夜は風が強かった。あんまりシャッター速度を落とすと、被写体ブレが激しくなるので、上の写真はISO1600で撮った。
プロならRAWで撮るんだろうけど、ちょっと面倒。


月の光も問題。
写真に撮ってみると、光源は予想外に明るく、ほかの部分は予想外に暗くなる。瞳孔による絞り効果のほかに、像の明るさの分布に応じて、網膜上のある部分では感度が高く、また別の部分では感度が落ちているんじゃないか。科学的にそういう話があるのか、知らないけど。
だから、光源は入れない方がいいのだけど、月と桜を撮りに行ったんだしね。