組曲《惑星》



ホルスト:惑星 小澤征爾

ホルスト:惑星

小澤征爾指揮

ボストン交響楽団



ホルスト:惑星 マゼール

ホルスト:惑星

ロリン・マゼール指揮

フランス国立管弦楽団

TSUTAYAに行くと、グスタフ・ホルスト組曲《惑星》のCDがふたつあった。ひとつは小澤征爾指揮のボストン交響楽団、もうひとつはロリン・マゼール指揮のフランス国立管弦楽団
記憶が曖昧だが、『沈黙の艦隊』において、海江田が気に入っていると言った曲だったと思う。
この曖昧な記憶に対して、はっきり覚えているのは、海江田が鳴らしたCDを聴いたアメリカ海軍兵が、それを「交響曲」と言ったこと。組曲は、交響曲ではないので、くだんの曲は、組曲《惑星》ではなかったのかもしれない。まあ、「楽観主義者(optimist = オプティミスト)」に「オポチュニスト(opportunist = 日和見主義者)」というルビがついてたくらいだから、あんまり細かいことを言っても始まらない。
いずれにしても、いつか聴いてみなければと思っていた。珍しくどちらの指揮者の名前も知っていたので、両方借りて聞き比べることにする。


組曲《惑星》は、『火星』『金星』『水星』『木星』『土星』『天王星』『海王星』で構成される。水金地火木土天海冥で覚える、実際の惑星の並びとは違う。また、ホルストが作曲した当時、冥王星は発見されていなかった。その後、コリン・マシューズが『冥王星』を作曲、これを加えて「完全版」とするアルバムもあるが、それはどうかと。


聴いてみると、知っていた曲は『火星』と『木星』の二曲。
小澤指揮とマゼール指揮の区別がついたのは、『火星』のみ。
『火星』は、第一次世界大戦(1914年〜1918年)直前に作曲に着手され、大戦勃発の年に発表された。そんな時代背景もあって、そもそもが「戦争をもたらす者 (the Bringer of War)」という副題が付いているのだけど、歩み寄ってくる戦争の不安が込められているように感じられる。
マゼール指揮は重々しい。今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートでもそうだったが、重厚感漂う。
対して、小澤指揮はテンポがよく軽やか。軽やかな曲は好きなのだけど、「戦争をもたらす者」の演奏としてはどうか。戦争に軽やかに来られたら、ヤだなあ。


坂本龍一氏の『1919』が、この『火星』とイメージが重なる。こちらも戦争の不安ぽいのが感じられる。
1919年は、第一次世界大戦休戦直後、ベルサイユ講和条約が締結された年。なにか関係があるのだろうか。


この『火星』は、『機動戦士ガンダム』で聴いたような気がしたのだけど、どうも『銀河漂流バイファム』だったらしい。それも「そっくり」であって、そのものではないとか。著作権は切れているので、そのものを使っても問題はないのだろうけど。
ギレンのテーマなんかに使うと、非常に合いそう。