DMX-C4のシャッターボタン



Xacti DMX-C4
SANYO Xacti DMX-C4

グリップXactiを初めて見たとき、なぜ引き金(トリガー)の位置にシャッターボタンがないのかと思った。
SOLでも撃てそうなあのデザインは、ガングリップタイプといえる。拳銃のグリップの形。
ガングリップタイプならば、トリガー位置に、その道具の主目的であるアクションを起こすスイッチがあるものだ。銃であれば弾丸を発射し、カメラであればシャッターを切る。
その後、もう忘れてしまったなにかの雑誌に、グリップXactiの開発者インタビューが載っていた。曰く「握り込むようにしてシャッターボタンを押すことにより、手ブレを防げる」と。
なるほど、そういうことだったのか。


そんなわけで、DMX-C4を購入してからというもの、握り込むようにしてシャッターボタンを押していたのだ。
でも違った。手ブレしまくり。
よく考えてみると、握り込んでしまったら、握りの状態が変わる。すると、握られているものは動く。カメラが握られているならば、手ブレする。
握り込んではいけないのだ。握りは変えず、親指だけを動かしてシャッターを押すべきだ。*1
その上で、左手で液晶部分を支えてやって、両手で持って撮る。静物や風景を撮るのであれば、2秒のセルフタイマーにして、シャッターボタンを押してから身動きしないでいると、さらにいい。シャッターボタンを押した瞬間が、一番カメラが動きやすい。三脚を使うときも、セルフタイマーは有効である。


だいたい、拳銃というものは、カメラよりも、よほど手ブレにシビアなはずだ。
カメラが手ブレしても、写真がブレるだけだ。しかし、拳銃が手ブレすると、敵を無力化できずに殺されるかも知れない。的から逸れた弾が、無関係な人に当たるかも知れない。拳銃の手ブレには、命がかかっているのである。
だから、拳銃は手ブレしにくいようにデザインされているはずで、従って、トリガー位置のスイッチは手ブレを起こしにくいはずである。
なぜグリップXactiには、トリガー位置にシャッターボタンがないのだろう。

*1:開発者が嘘を言っていたとは思えない。おそらくライターに、言葉の意味が正しく伝わらなかったのだ。開発者は言葉の専門家ではないし、ライターも機械の専門家ではないので、そのようなすれ違いは起こる。技術者と営業のすれ違いのようなもの。お互いの努力が必要だが、常に最善の結果が得られるわけではない。