『ルパン三世 ルパンVS複製人間[クローン]』




ルパン三世 ルパン vs 複製人間

ルパン三世

ルパン vs 複製人間

ルパン三世で、最初の映画作品(だと思う)。でも、DVDが出たのは、実はけっこう最近。マモーの出てくる話といえば、思い出す人もいるだろう。
きちんと観て、話をちゃんと覚えているのは、これと『カリオストロの城』のみ。
もうひとつ観たことがあるのだけど、part3以降の絵だったかな。話は覚えていないが、驚いたことに、五右衛門がナンパだった。


で、やっぱり『ルパンVS複製人間』が一番いい。


まず、ルパンが助平。スケベじゃなくて助平。
かの名高き怪盗ルパンの孫で、世界中の警察が血眼、ところがこれが捕まらない。狙った獲物は必ず奪う、神出鬼没の大泥棒。
でも、基本的に下品な助平親父。女の子の心盗んじゃったりしない。


不二子は悪い女。
ルパンのことは好きなんだけど、それ以上に自分が好き。自分のためなら、いくらでもルパンを騙す。
でも、不二子に惚れ込んでるルパンは、それを許しちゃう。次元と五右衛門は、そんなルパンをさんざん諫めるのだけど、聞きゃあしねぇ。
それを知ってる不二子は、好きなだけルパンを利用する。それこそが彼女の人生。


次元はクラシック。
マリリン・モンローハンフリー・ボガードの長年のファン。コンバットマグナムを使い、ポールモールを吸い、帽子を離さない。
悪態をつきながら、ルパンをとても心配している、大変いいヤツ。
ところで、「長ぇことモンローとハンフリー・ボガードのファンだったが……、今日限りだ!」という台詞は、すごく好きなんだけど、どうもリズムが悪い。なぜ「モンローとボギー」でなく、「マリリン・モンローハンフリー・ボガード」でもなく、「モンローとハンフリー・ボガード」なのか。モンローは「モンロー」で通じるけど、「ボギー」は通じないと思ったのだろうか。「ボギー」で分からない人は「ハンフリー・ボガード」だって分からないって。幼少の頃の私のように。


五右衛門は硬派かつストイック。
ルパンと次元のピンチを、幾度となく救う。困ったときの五右衛門。「また詰まらぬものを斬ったか」
友人にほとほと呆れて、袂を分かったつもりになっても、結局は見捨てられない、次元と同じく、とてもいいヤツ。
斬鉄剣で斬れないのは、斬鉄剣のせいではなく、己の腕のせいであると落ち込む。


銭形は諦めが悪い。
ルパンが死んだと聞いても、信じない。世界中の人間が諦めても、銭形だけは諦めない。
しかし、物凄い勢いで空回り。羽のないプロペラ。それが持ち味。空回りしない銭形なんて。


そして、作品全体を流れる、猥雑な空気。
これ、もう放送できないんじゃないか?なんて思う。初めて観たのはTV放送で、20年は前だろうか。それでも、DVD買うまで、観たことがないシーンがあった。20年前、すでに放送できないシーンがあったのかもしれない。
おもしろいのになあ。幼少のミギリは怖かったけど。