ATOK2005

このご時世にATOK 2005を買う。
「このご時世」というのは、もちろん「ジャストシステム対松下電器産業の知財訴訟の只中」ということ。
松下の行動は、合法的な権利の行使なのだけど、販売差し止めを求めただけで、損害賠償を請求するわけでなし、競合製品があるわけでなし、ライセンスを求めるわけでもなし、いったいどのような得があるのかさっぱりわからない。


「たしかに直接収益的なメリットはないかもしれない。しかし、我々は『知財立社』を目指しており、今回の件もその戦略の一環だ」
(中略)
 つまり、松下としては成長戦略を加速させて競争力を向上させる源泉が「技術と知的財産」と考えており、これをないがしろにされては今後の成長は見込めないというわけだ。

というのが、松下の主張。つまり、自社の方針を見せしめるための訴訟ということだろうか。


ソフトウェア的には些細な変更で回避できてしまう問題であるので、ジャストシステムは、すでにパッチをリリースしている。
また、ジャストシステムは控訴している。これは、時間稼ぎとしても大変に有効で、控訴審が結審する頃には、差し止める対象だったはずの製品は、特許侵害部分が取り除かれているだろう。この場合、どうなるのだろう。松下が求めているのは、販売差し止めだけであるが。


のっけから横道にそれてしまった。
すでに旧聞であるので、さんざん展開された議論であろう。この話はここまで。


で、ATOK 2005である。
IME (Input Method Editor) がFEP (Front End Processor) と呼ばれていたMS-DOSの時代から、かな漢字変換といえばATOKであった。当時、「ネカイ」と呼ばれたNECAI (NEC AI) が、NECのPC-9800シリーズ標準搭載のFEPであったが、なかなかに笑える変換をしてくれたものだ。話によると、それでもMacintoshに搭載されていた「ことえり」よりはましだということであった。
その後、DOS/VWindows 3.1/95/98/2000と使ってきて、現在使用しているのはWindows XP。ここへきて、MS-IMEもずいぶんマシになったと思ったものだが、なぜかここのところ「なぜそれが変換できない」ということが多くなってきた。
というわけで、ちょっと応援の意味も込めて、あこがれのATOK購入に至った。ワープロは滅多に使わないので、一太郎ではなくATOKワープロはフリーのOpenOffice.orgで充分。


ATOK 2005電子辞書セットというパッケージを購入。
変換は賢いし、学習は過剰でも不足でもなく、入力補完もできるし、変換文字列について辞書も引けるし、実に便利。
やはり、日本語は日本のメーカーでないとダメかと思った次第。
使用条件も緩やかで、使用者が一人に限定されていて、同時に使用しない場合に限り、複数のコンピュータにインストールすることができる。自宅と会社で使えるわけだ。これはうれしい。
ジャストシステムには、今後ともがんばってほしいものである。


ATOK 2005 for Windows 電子辞典セット

ATOK 2005 for Windows 電子辞典セット