サーチエンジン2

A9が正式公開されたことに関連する記事、梅田望夫・英語で読むITトレンド:Amazonのサーチサイトが狙うものは?において、気になる記述。


「That key element, I believe, is your clickstream, or what A9 calls your "history." By tracking not only what searches you do, but also what sites you visit, A9 builds a real time profile of your interests and past web use. It then folds that profile into both your search results and the search interface itself, making for what can become, with regular use, an entirely new approach to searching. 」

サーチには「Recovery」、つまり「ああ、どこかで見たことあるな」というものを探すことと、「Discovery」、全く新しく発見することに大別できると、Batteleは言う。そして前者については「History」という機能が、後者については、

「But new to this version of the site is a feature A9 calls "Discover," which finds sites you might be interested in based on your clickstream and -- here’s the neat part -- the clickstream of others.」

という「Discover」という機能が用意される。

以前訪れたことがあるサイトを探すのが「Recovery」、新規に何か探すのが「Discovery」。
A9はユーザが実行した検索だけでなく、検索結果からどのサイトを訪れたかのclickstream履歴をリアルタイムにprofileとして保存していく。
Recoveryは、その履歴を用いる。Discoveryは、サーチした本人のclickstreamと(ここがミソらしいのだが)ほかのユーザのclickstreamを元に、ユーザが興味を持ちそうなサイトをリストの上位に表示する。


この分類はどの程度効果があるのだろう。
個人的には、履歴はほとんど使わない。メモしたもので事足りてしまう。ごくまれにブラウザの履歴を使うこともある。しかし、A9はブラウザと違って、ブラウジングのすべてを保存しているわけではないので、代用は効かないのではないか。
以前にも書いたように、精度を高めるのに有効な分類は、調べ物と探し物ではないかと思う。情報を探すか、物を探すか、と言い換えることもできる。調べ物をしているときに、本の目次がヒットしても、ちっともうれしくない。
Recovery/Discovery分類は、その問題の前には無力である。私の場合、物より情報を探すことのほうが多いが、いざ物を探したいと思ったとき、情報に偏ったサーチをされても困る。
物と情報の探しわけができたら、ずいぶんと精度が上がるような気がしているのだが、今のところそのようなサーチエンジンは見つからない。


とはいえ、少しでも精度が高いほうがいいし、カスタマイズできるのはうれしいので、とりあえずA9を使ってみようとは思うのだが。