愛・地球博の二つのハイビジョン

愛・地球博ではSonyNHKが、各々ハイビジョンのシアターを展示していた。
いずれも、非常に美しい映像という触れ込みだが、両方観ることができたので比較してみる。

コンテンツの印象

Sonyのレーザー ドリームシアター @ グローバル・ハウス: ブルーホール

コンテンツが始まってから少しして、非常にディティールの細かい高精細な映像に切り替わる。ここで、本当に息を呑んだ。驚くほど美しい。
さすがにTV番組『世界遺産』を作っているだけのことはある。テクノロジーとしての美しさだけではなく、テクニックを用いて、そのテクノロジーを最大限に生かした映像を観ることができる。

NHKスーパーハイビジョン @ グローバル・ハウス: オレンジホール

ハイビジョンの4倍以上の解像度であるが、その技術を生かした映像は観られなかった。つまり美しさが分からない。コンテンツも見栄えがしない。
もっとも、万博開催期間後半では、コンテンツが変わるらしいので、こちらは見物かもしれない。というか、観てみたい。
入館する前に、待っている姿を撮られて、コンテンツの最初に映写される。開催期間後半もやるらしい。サービスのつもりで、撮ってやってるという感覚だろうが、あれは勘弁してほしい。カメラ向けられて、喜んで手を振る人ばかりではないのだ。TV局はそういうところが分かってない。

技術

Sonyのレーザードリームシアター

投影装置
Sonyで開発中のGxL(ジー・バイ・エル)を用いたレーザープロジェクションシステム。レーザーは色純度が高く、ブラウン管よりも、色再現性が高くできるらしい。現在、プラズマと液晶の薄型TVがはやっているが、色再現性はブラウン管の方が優れている。そのブラウン管より美しいということ。
解像度
1920×1080のハイビジョンを三つ横に並べた以上の解像度を持つ。正確な解像度は非公開なのか、見つからなかった。
スクリーンサイズ
縦約10m×横約50m。2005型(たぶん、対角線の長さが2005インチということ)。
音声
11.1ch

NHKスーパーハイビジョン

解像度
有効走査線数は4320本。通常のハイビジョンは1080本。Sonyよりも圧倒的に解像度は高いと思われる。それであのコンテンツはもったいない。
スクリーンサイズ
横13m×縦7m。600インチ。
音声
22.2ch

その他

いずれのハイビジョンも、パビリオンに入館してからシアター前室で説明映像など見せられる。
このような待ち時間もSonyはうまくこなす。内装はきれいだし、説明映像も、まあ面白い。電機メーカーなのに、立派なエンターテイナー。
対して、NHKの待ち時間は、退屈きわまる。どうってことのない内装に、説明映像も今ひとつ。放送が本業なのに、エンターテインメントで電機メーカーに負けていてどうするのだ。