『ゴスフォード・パーク』DVD購入

以前書いた『ゴスフォード・パーク』のDVDを購入。実際に買ったのはずいぶん前なのだけど、いまさらちょっと書いてみる。感想らしきものは、もう書いたので、今回はちょっと本筋からそれた話をとりとめもなく。


この作品は「2本でいくら」という売り方をされているタイトルに含まれていて、購入した店ではメーカーが違っても組み合わせ可能であった。トータルで偶数売れていれば、メーカーには分からないわけで、うまいこと考えるものである。
一緒に買ったのは『28日後...』。舞台がイギリスで、カントリーハウスが登場する以外、共通点のほとんどない作品だが、冒頭の無人のロンドンはなかなかいい。こちらについては、また書くことがあるかもしれない。


最初はレンタルして観た。本編を一度観た後に監督コメンタリーを観ていると、映画の半ばあたりで「これを観る前に本編を二回は観ておいてほしい」なんて言われ、「最初に言ってよ」と思いつつコメンタリーを中断して、本編を最初から観なおした。二度目の本編を観終わったあたりで、期限がきて返却。
購入してから、中断した監督コメンタリーの続きを観て、次に脚本コメンタリーを観た。
監督のロバート・アルトマン氏が語ったのは、映画をどう作ったかという話。脚本のジュリアン・フェローズ氏が語ったのは、舞台となった時代の話。フェローズ氏の大叔母というのが、本物の貴族だったらしく、貴族はどうだった使用人はこうだったなどという話をするのだ。これが面白い。監督コメンタリーより面白い。アルトマン氏の「この映画ではカメラが常に動いている」という話も「ほほー」と思ったものだが、フェローズ氏の「大叔母は、本当に使用人を教育してやっている、と思っていた」という話のほうが興味深いのだ。きっと、映画制作に興味がある人は逆なのだろう。


キジ撃ちのシーンでは、本当にキジを撃ったそうだ。映画の撮影中に登場人物が撃ったわけではなく、撃ち落されるキジの映像を撮影するため、実際にキジを撃ったとのこと。
でも食べなかったそうだ。
動物保護か何かを考慮してそう言ったのだろう。しかし、狩った獲物を食べないというのは、動物保護になっているだろうか。逆に、食べるべきだったんじゃないか。


何度か観ているうちに気になったのが、同じくキジ撃ちのシーン。空を飛んでいるキジの映像では、キジの周りに結構ノイズが出ている。
素人の私が見ても分かる問題は、制作に携わったプロは当然認識しているはずで、できる限りの手を尽くした結果なのだと思う。MPEGエンコードというのは、割と職人芸的なところがあって、プロが手を尽くすと結構改善されるのだ。もっとも、最近のMPEG2は、プロが蓄積してきたノウハウがエンコーディングシステムに搭載されているので、ずいぶん楽になっている。
さて、手を尽くした結果、素人にも分かるノイズが残ってしまうというのはつまり、DVD-Videoのビットレートが不足しているわけで、規格としての限界を示している。ここで、大容量の次世代規格に期待してしまうわけだが、小寺信良氏のコラム『BD対HD DVD戦争に着地点はない?』で懸念されているように、DVDのプラスとマイナスの勝敗がついていないのと同様、Blu-ray Disc(BD)とHD DVDの勝敗がつくような気がしない。まったく違う規格なので、折衷案で統一もできない。個人的には、BDが好きだが、この際どちらでもいいから一つにしてほしいものだ。