見たことのないもの

見たことのないものを目にしたときの衝撃は、圧倒的である。どれだけ凄くしても、見たとこのあるものは、まったくかなわない。


たとえば、映画の『マトリックス』(asin:B0000C02BA)を取り上げてみる。いまさら。
マトリックス』については、いろいろと難しい議論が展開されているが、ここでは映像についてのみ。
マトリックス』は、見たことのない映像を実写で見せた。詳しくはないのだが、私の知る限りでは、『マトリックス』以前にああいう映像はなかった。ただし、アニメは除く。『マトリックス』がアニメにインスパイアされて製作されたのは有名な話だが、ここでは実写に限る。
マトリックス』以後、同じような映像が他でも見られるようになった。しかし、すでに見たことのある映像である。
この「マトリックス以後」には、続編である『マトリックス リローデッド』(asin:B0001FAHDO)『マトリックス レボリューションズ』(asin:B00007G0LM)も含まれる。つまり『リローデッド』も『レボリューションズ』も、それはそれは凄いのだが、見たことのある映像で構成されている。
きっと、だから『マトリックス』で受けた衝撃を、続編で受けられなかったのだ。


リベリオン』以後というのもあって、最近もあるアニメで同じような映像が見られたらしい。
マトリックス』においては、アニメで表現されていた、実写では技術的に不可能だと思われていた映像を実現したのだが、『リベリオン』の映像は技術的に難しいわけではなくアイディアなので、逆になったのだろう。