VAIO Pocket

http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGF-AP1/

6月上旬購入、7月下旬売却。2ヶ月弱の期間、毎日使用した感想などを、忘れないうちにまとめておく。
なお、VAIO Pocket以前と以後には、二代目のiPodを使用しているため、iPodとの比較が随所に登場する。

  • G-sense

VAIO Pocket特有のユーザーインターフェイスタッチパッドの上に5x5=25個の出っ張りがあり、そのすべてがボタンとして機能する。ハードウェア的には非常に斬新で、これに惹かれて購入したのであるが、ソフトウェア的にはこなれていない印象。
シャッフルやリピートのON/OFFがワンボタンでできるのはいい。iPodの場合は、メニューをさかのぼってルートまで行ってから設定メニューに入らなければならない。
最上/下段のボタンに触れ続けていると上/下方向にスクロールする。これは一定速度なので、遅くてかったるく感じることもままあり。左上/下のボタンを押すとPageUp/Downが可能だが、押し続けてもPageUp/Downを続けてくれない。スクロールについては、iPodのホイールにかなうものは、今のことろ見たことがない。

  • メニュー

さかのぼると、常に項目リストの先頭が選択される。
たとえば、ミュージシャンのリストからYMOを選択して曲名リストに入った後、またミュージシャンのリストに戻ると先頭のBeatlesが選択される。登録されているミュージシャンが多いと、スクロールの途中にHDDを読み込む動作が入る。ちょっと手が滑ってひとつ上/下のミュージシャンを選択してしまったときなど、ダメージがでかい。
なお、ミュージシャンのリストでは冠詞(theとか)を含めてソートされる。iPodでは、冠詞は無視される。上記のBeatlesは、正確にはThe Beatlesであるが、その名称で登録すると、Tの位置にリストされる。Theで始まるミュージシャンは多いので、無視してもらったほうがいい。

  • ボリューム

音量のステップ量が大きい印象。音量ゼロから最大音量までの段数は数えたことはないが、仮にiPodで20段階とすると、VAIO Pocketで10段階という印象。

  • 電源

ON/OFFができる。iPodでは、一時停止にしておくとそのうちスタンバイ状態になる。これに慣れていたので、電源の切り忘れはたびたびやってしまった。
電源スイッチは誤動作防止用のホールドスイッチと共用。スライド式のスイッチで、一方向にスライドして固定するとホールド、逆方向にスライドすると電源ON/OFF。ホールドを解くときに勢いあまって、電源を切ってしまうことが多々あった。使いにくい。

  • ジャケットピクチャ

カラー液晶の本領発揮。しかし、登録には非常に手間がかかる。
まず、登録したいジャケット画像をPCなどからVAIO Pocketにコピーしておく。これは、転送ソフトのSonicStage(後述)を使うのではなく、HDDとして認識されるVAIO Pocketにエクスプローラでコピーする。
その後、VAIO Pocketでジャケットを登録したい曲を再生させる。曲が再生されている間にメニューのルートに戻り、ファイルブラウジングをして、目的の画像を表示させ、ジャケットとして登録する。
SonicStageでもジャケットの登録はできるが、この情報はVAIO Pocketには転送されない。
データの不整合などが発生してアルバムを全部PCに戻したら、ジャケット情報は雲散霧消する。
最初はがんばってジャケット登録をしていたが、イヤになってやめてしまった。

  • 液晶

26万色カラー。ジャケット表示と画像表示に使える。音楽を再生するのにはあまり関係ない。

  • リモコン

3行表示の液晶付き。曲名・ミュージシャン名・ステータスが表示される。この点はiPodより優れている。
でも使いにくい。シーソーのようになっているボタンは、左右と真下という三方向に押し下げて使う。ミスすることも多い。
iPodのリモコンは、表示部もないし、まあ使いにくいほうだが、1ボタン1機能なので、違うボタンを押さない限りはミスしない。Appleともあろうものがあんな使いにくいリモコンを出しているなんて、彼らはきっとリモコンにまじめに取り組んでいないに違いない。新しいiPodは、またリモコンが付かなくなってるし。

何と接続するにも必要。言い換えると、VAIO Pocketはクレードルにしか接続できない。充電もできない。
たとえば、ポータブルHDDとして出先のPCと接続しようとしても、クレードルを持っていかないと接続できない。

ビットマップを貼りまくった音楽管理ソフト。ビットマップを貼りまくったソフトは最近多いが、こんなに重いソフトは珍しい。同ジャンルにiTunesがあるが、もっと軽快に動作する。
頻繁にハングアップする。音楽データをVAIO Pocketに転送している最中にも何度もハングアップした。すると、データが不正になることがある。その場では分からず、VAIO Pocketで再生しようとすると「音楽データが不正だから、全曲転送しなおしてください」という意味のメッセージが表示される。SonicStageがハングアップするから、あんまり転送作業はしたくないのだけど。
私のPC環境のせいかもしれないが、iTunes + iPodでは、このようなことは一度もない。

  • フォーマット

VAIO Pocketが再生できるのは、ATRAC3PlusとATRAC3SonicStageで再生できるのは、それに加えてMP3・WAV・WMAATRAC以外はVAIO Pocketへの転送時に変換される。当然変換には余分に時間がかかる。
SonicStageエンコードできるビットレートは、ATRAC3Plusで48・64・256kbps。ATRAC3で66・105・132kbps。ATRAC3Plusの方が新しいフォーマットなので、こちらを使いたかったが、64kbpsでは音がスカスカして聞くに堪えない。かといって256kbpsでは大きすぎる。しょうがないので、ATRAC3の132kbpsを使っていた。このビットレートのラインアップは理解に苦しむ。

  • デジカメとの接続機能

使用したことがない。必要ない。

  • キャリングケース(オプション)

キャリングケースとハンドストラップのセット。CMで使っているネックストラップは含まれていない。ネックストラップがほしくて、間違って購入してしまったもの。

  • 総括

使いにくいと感じる部分は、ほとんどソフトウェアに起因している。ファームウェアのアップデートなどで改善できるだろうが、不具合ではないので、そのような対応はないと考えられる。
仕方ないので売却した。高い授業料であった。