来たれ、創造の主、聖霊よ(マーラー交響曲第8番)

今更に『涼宮ハルヒの憂鬱』を観ている。
とりあえず、DVD1枚だけ借りて観てみると、面白いつまらないでいえば面白いものの、面白い!かどうかよく分からない。でも、話の続きは気になるので、2巻は借りようと思っていたら、TSUTAYA半額レンタルをやっていたので2・3巻の2枚を借りて観た。
これは面白い。
全部観てから何か書こうかと思っていたのだけど、『千人の交響曲』を聴いていたら、なんかたまんなくなってしまったので、そのあたりのお話でも。クラシックに造詣が深いわけでもないので、たいしたことが書けるわけでもないけど。




マーラー交響曲第8番
マーラー 交響曲第8番

サイモン・ラトル指揮

バーミンガム市交響楽団

『千人の交響曲』ことグスタフ・マーラー交響曲第8番は、2部構成になっている。その第1部が、『涼宮ハルヒの憂鬱VI』のクライマックスでかかっていた曲。
私が持っているのは、サイモン・ラトル指揮、バーミンガム交響楽団演奏の一件。昨日エンコードしていたCDは、実はこれ。買ったのはずいぶん前で、MP3 192kbpsでエンコードしてあったのだけど、やっぱり320kbpsで聴きましょうということで。ええ、もちろん『ハルヒ』を観たから、聴き直そうと思ったのですよ。
これは聴いていると、本当に鳥肌が立つ。劇中で使用されたあの部分は、たまらんですよ。第2部のフィナーレの盛り上がりもものすごい。


全編合唱が入っているのだけど、『ハルヒ』で使用された第1部には、中世マインツの大僧正、フラバヌス・マウルスが書いたといわれる「来たれ、創造の主、聖霊よ」という詩が使われている。ラテン語
「創造の主」か!なんて選曲!と、まぁ、観ていて思った。
ライナーノートによると、マーラーはこの曲について、友人の指揮者ヴィレム・メンゲルベルクへの手紙で、こう語ったらしい。


宇宙そのものが音を発し、響きだすのを想像してください。そこにあるのはもはや人間の声ではなく、回転する惑星や太陽なのです。

世界がひっくり返りそうなこのシーンで、この曲である。


とまあ、付け焼き刃でなんとなく書いてみたが、このあたりのお話は、松浦晋也氏のブログが詳しく、かつ楽しい。ご興味のある方は是非。


松浦晋也のL/D: 「涼宮ハルヒの憂鬱」を楽しむ
松浦晋也のL/D: ショスタコ第7交響曲を語る──「涼宮ハルヒの憂鬱:射手座の日」上級編


最後に、ライナーノートより、『ハルヒ』劇中で使われた部分の和訳を引用しておく。


その光をもって我らの五感を高め etc.


敵なるものを遠く追いやり
直ちに平和を与えたまえ。
我らはそなたの導きにより
一切の悪を避ける。


そなたは人に七重に包まれた
贈り物をもたらす父なる神の恵みの指。
(父なる神より約束されし御者たるそなた
人ののどに言葉を豊かに与え給う)


そなたにより我ら父なる神を知り、
さらに聖なる御子をも知る。
かくて我らそなた聖霊
かわることなく信ずるのだ。


来たれ、創造の主なる聖霊よ etc.


追記:(2007/07/29)
劇中で使われていたマーラー交響曲8番は、おそらく上記で紹介したサイモン・ラトル指揮、バーミンガム交響楽団のもの。
なんか妙に聴き慣れた演奏のような気がしたのだ。他の演奏を聴いたことがあるわけではないのだけど、指揮者が変わると緩急や強弱は結構変わる。
それで聴き比べてみた。
DVD3巻、チャプタ22の0'00"とCDトラック6の0'00"から同時に再生すると、DVDチャプタ23の1'27"のあたりでCDトラック6の3'37"から4'20"あたりがスキップされるが、他はぴったり同じ。
これを再生しながらDVDを観てると、曲がよく聞こえて結構たまらんものがある。思わず、スキップされているあたりを切り取ったエディションを作ろうかと思ったくらいだが、面倒なのでまだやってない。